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@nananankona

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@nananankona · 2025年8月20日

Wifiルーターを改造するとLinuxマシンとして使えるらしい。

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今回は、二年前に中古で550円で手に入れたWRC-1167GS2というWifiルーターに、OpenWrtを導入してSSHで操作できるように改造してみます。  

この記事では、以下の流れで進めていきます。  

  1. WRC-1167GS2について簡単に紹介
  2. OpenWrtの導入準備
  3. ファームウェアの書き換え手順
  4. SSHでの接続確認
  5. まとめ・感想

 

注意事項

  • 本記事の内容は自己責任で行ってください。
  • 当たり前ですが、ファームウェアの書き換えや改造は、失敗すると文鎮化したり、メーカー保証が受けられなくなります。
  • 作業前に十分な情報収集をおすすめします。
  • 記事の内容によって生じた損害等について、筆者は一切の責任を負いません。

それでは、やっていきましょう。


1. WRC-1167GS2について

WRC-1167GS2はエレコムが2019年10月上旬に発売した無線LANルーターです。
OpenWrtに対応しているため、遊びや実験用途にもぴったりの機種です。

公式仕様

項目 仕様 備考
消費電力 8.4W(最大)
有線規格 IEEE 802.3ab(1000BASE-T)、IEEE 802.3u(100BASE-TX)、IEEE 802.3(10BASE-T)準拠
有線コネクター WAN:RJ-45型8極×1ポート、LAN:RJ-45型8極×4ポート 全ポートAuto MDI/MDI-X、Auto-Negotiation対応
有線伝送速度(WAN) 1000Mbps、100Mbps、10Mbps
有線伝送速度(LAN) 1000Mbps、100Mbps、10Mbps
無線規格 IEEE 802.11ac、IEEE 802.11n、IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g準拠
無線伝送方式 IEEE 802.11ac:MIMO-OFDM、IEEE 802.11n:MIMO-OFDM、IEEE 802.11g:OFDM、IEEE 802.11b:DS-SS、IEEE 802.11a:OFDM
無線伝送速度(理論値) IEEE802.11ac : 最大867Mbps / IEEE802.11n : 最大300Mbps / IEEE802.11g : 最大54Mbps / IEEE802.11b : 最大11Mbps / IEEE802.11a : 最大54Mbps
周波数帯域 2.4GHz帯:2,400~2,484MHz、5.2GHz帯(W52):5,150~5,250MHz、5.3GHz帯(W53):5,250~5,350MHz、5.6GHz帯(W56):5,470~5,725MHz
チャンネル 2.4GHz帯:1~13ch、5GHz帯(W52/W53/W56):36/40/44/48/52/56/60/64/100/104/108/112/116/120/124/128/132/136/140ch
無線セキュリティ WPA2-PSK(AES)、WPA-PSK(TKIP)、WEP(64bit/128bit)

elecom公式サイト から引用  

2. OpenWrtの導入準備

まずは、こ↑こ↓ にアクセスし、WRC-1167GS2用のファームウェアをダウンロードします。

fw-select-01

モデル名のところに自分の機種(今回はWRC-1167GS2-B)を入力

fw-select-02

ダウンロードするファイルは真ん中のfactoryイメージです。
(既にOpenWrtが導入されている場合は「sysupgrade」イメージを使います)

また、ルーターとPCをLANケーブルで接続し、PCのIPアドレスを「192.168.2.10」など、ルーターと同じセグメントに設定しておきます。

3. ファームウェアの書き換え

ルーターの管理画面(今回は http://192.168.25.12)にアクセスし、ログインします。

ofw-01 その他の設定 -> ofw-02 ファームウェア更新 -> ofw-03 ローカルファイル指定 -> ofw-04 先ほどダウンロードしたファームウェアを選択し適用 ofw-05 この表示出てしばらくすると書き換えが完了し、ルーターが自動的に再起動します。

※ 書き換え中に電源落とすと多分文鎮化します。  

4.Webパネル

WebUiにアクセス…と思ったら、ネットワーク上のデバイスにいらっしゃらない… ぶち壊したか?! と、色々試行錯誤していたら、Wifiルーターに直接LANとPCを接続したら管理画面に接続できました。   気を取り直して、http://192.168.1.1でログイン画面が表示されました cfw-01 デフォルトユーザ名はrootでパスワードはなしです。 cfw-02 とりあえずメインPCからアクセスしたいので、2.5G帯をとりあえず有効にしました あとは好きに触るだけです。  

5. SSHでの接続確認

ssh接続できるらしいので接続してみます。

C:\Windows\System32>ssh [email protected]
[email protected]'s password:


BusyBox v1.36.1 (2025-06-23 20:40:36 UTC) built-in shell (ash)

  _______                     ________        __
 |       |.-----.-----.-----.|  |  |  |.----.|  |_
 |   -   ||  _  |  -__|     ||  |  |  ||   _||   _|
 |_______||   __|_____|__|__||________||__|  |____|
          |__| W I R E L E S S   F R E E D O M
 -----------------------------------------------------
 OpenWrt 24.10.2, r28739-d9340319c6
 -----------------------------------------------------
root@OpenWrt:~# pwd
/root

無事にSSH接続が成功し、OpenWrtのターミナルが表示されました。 これで、だたのWi-Fiルーターから、Linuxをベースの自由度の高い小さなPCと変貌を遂げました。   いくつかコマンドを実行してスペックを確認してみます。

root@OpenWrt:~# uname -a
Linux OpenWrt 6.6.93 #0 SMP Mon Jun 23 20:40:36 2025 mips GNU/Linux
root@OpenWrt:~# free
              total        used        free      shared  buff/cache   available
Mem:         119256       53076       39480         428       26700       28040
Swap:             0           0           0
root@OpenWrt:~# df -h
Filesystem                Size      Used Available Use% Mounted on
/dev/root                 4.3M      4.3M         0 100% /rom
tmpfs                    58.2M    428.0K     57.8M   1% /tmp
/dev/mtdblock6            3.7M    344.0K      3.4M   9% /overlay
overlayfs:/overlay        3.7M    344.0K      3.4M   9% /
tmpfs                   512.0K         0    512.0K   0% /dev

OS、メモリ、ストレージ情報


root@OpenWrt:~# opkg update && opkg install bash
Downloading https://downloads.openwrt.org/release...
...
Signature check passed.
Package bash (5.2.32-r1) installed in root is up to date.
root@OpenWrt:~# wget --no-check-certificate -O /usr/bin/neofetch "https://raw.githubusercontent.com/dylanaraps/neofetch/
master/neofetch"
d +x /usr/bin/neofetchDownloading 'https://raw.githubusercontent.com/dylanaraps/neofetch/master/neofetch'
Connecting to xxx:xxx:xxx:xxx
Writing to '/usr/bin/neofetch'
/usr/bin/neofetch    100% |*******************************|   368k  0:00:00 ETA
Download completed (376936 bytes)
root@OpenWrt:~# chmod +x /usr/bin/neofetch
root@OpenWrt:~# neofetch
 _______                       root@OpenWrt
|       |.-----.-----.-----.   ------------
|   -   ||  _  |  -__|     |   OS: OpenWrt 24.10.2 mips
|_______||   __|_____|__|__|   Host: ELECOM WRC-1167GS2-B
         |__|                  Kernel: 6.6.93
 ________        __            Uptime: 1 hour, 31 mins
|  |  |  |.----.|  |_          Packages: 152 (opkg)
|  |  |  ||   _||   _|         Shell: ash
|________||__|  |____|         Terminal: /dev/pts/0
                               CPU: MIPS 1004Kc V2.15 (4)
                               Memory: 95MiB / 116MiB

neofetch入れてみた (pfetchとかのほうがよさそう)

wget --no-check-certificate -O /usr/bin/pfetch "https://raw.githubusercontent.com/dylanaraps/pfetch/master/pfetch"
chmod +x /usr/bin/pfetch

pfechインストール用 (これnodejsとかも入っちまうのでは…?!)   何に使えるかはわからないですけど面白いですね。 パッケージマネージャはopegが入ってました sudoなどのコマンドは削られてました。 ストレージが16MBでRAMが128MBしかないですから仕方がないですね。(多い方ですけど)  

6. まとめ・感想

純正のFWよりOpenWrtの方が設定めっちゃ細かくできて自由度高い(電波法に注意) でもストレージが激狭だからソフト入れるときは選びまくらないとダメそう   元々ただのWi-Fiルーターだったのが、簡易Linuxマシンとして生まれ変わったことに感動しました! OSSでWi-Fiルーターを改造するプロジェクトがあるとは思わなかったので、別の機種でも試してみようかなと思っています。次はUSB接続に対応したルーターで遊んでみたいです。

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@nananankona · 2025年8月20日

Wifiルーターを改造するとLinuxマシンとして使えるらしい。

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今回は、二年前に中古で550円で手に入れたWRC-1167GS2というWifiルーターに、OpenWrtを導入してSSHで操作できるように改造してみます。  

この記事では、以下の流れで進めていきます。  

  1. WRC-1167GS2について簡単に紹介
  2. OpenWrtの導入準備
  3. ファームウェアの書き換え手順
  4. SSHでの接続確認
  5. まとめ・感想

 

注意事項

  • 本記事の内容は自己責任で行ってください。
  • 当たり前ですが、ファームウェアの書き換えや改造は、失敗すると文鎮化したり、メーカー保証が受けられなくなります。
  • 作業前に十分な情報収集をおすすめします。
  • 記事の内容によって生じた損害等について、筆者は一切の責任を負いません。

それでは、やっていきましょう。


1. WRC-1167GS2について

WRC-1167GS2はエレコムが2019年10月上旬に発売した無線LANルーターです。
OpenWrtに対応しているため、遊びや実験用途にもぴったりの機種です。

公式仕様

項目 仕様 備考
消費電力 8.4W(最大)
有線規格 IEEE 802.3ab(1000BASE-T)、IEEE 802.3u(100BASE-TX)、IEEE 802.3(10BASE-T)準拠
有線コネクター WAN:RJ-45型8極×1ポート、LAN:RJ-45型8極×4ポート 全ポートAuto MDI/MDI-X、Auto-Negotiation対応
有線伝送速度(WAN) 1000Mbps、100Mbps、10Mbps
有線伝送速度(LAN) 1000Mbps、100Mbps、10Mbps
無線規格 IEEE 802.11ac、IEEE 802.11n、IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g準拠
無線伝送方式 IEEE 802.11ac:MIMO-OFDM、IEEE 802.11n:MIMO-OFDM、IEEE 802.11g:OFDM、IEEE 802.11b:DS-SS、IEEE 802.11a:OFDM
無線伝送速度(理論値) IEEE802.11ac : 最大867Mbps / IEEE802.11n : 最大300Mbps / IEEE802.11g : 最大54Mbps / IEEE802.11b : 最大11Mbps / IEEE802.11a : 最大54Mbps
周波数帯域 2.4GHz帯:2,400~2,484MHz、5.2GHz帯(W52):5,150~5,250MHz、5.3GHz帯(W53):5,250~5,350MHz、5.6GHz帯(W56):5,470~5,725MHz
チャンネル 2.4GHz帯:1~13ch、5GHz帯(W52/W53/W56):36/40/44/48/52/56/60/64/100/104/108/112/116/120/124/128/132/136/140ch
無線セキュリティ WPA2-PSK(AES)、WPA-PSK(TKIP)、WEP(64bit/128bit)

elecom公式サイト から引用  

2. OpenWrtの導入準備

まずは、こ↑こ↓ にアクセスし、WRC-1167GS2用のファームウェアをダウンロードします。

fw-select-01

モデル名のところに自分の機種(今回はWRC-1167GS2-B)を入力

fw-select-02

ダウンロードするファイルは真ん中のfactoryイメージです。
(既にOpenWrtが導入されている場合は「sysupgrade」イメージを使います)

また、ルーターとPCをLANケーブルで接続し、PCのIPアドレスを「192.168.2.10」など、ルーターと同じセグメントに設定しておきます。

3. ファームウェアの書き換え

ルーターの管理画面(今回は http://192.168.25.12)にアクセスし、ログインします。

ofw-01 その他の設定 -> ofw-02 ファームウェア更新 -> ofw-03 ローカルファイル指定 -> ofw-04 先ほどダウンロードしたファームウェアを選択し適用 ofw-05 この表示出てしばらくすると書き換えが完了し、ルーターが自動的に再起動します。

※ 書き換え中に電源落とすと多分文鎮化します。  

4.Webパネル

WebUiにアクセス…と思ったら、ネットワーク上のデバイスにいらっしゃらない… ぶち壊したか?! と、色々試行錯誤していたら、Wifiルーターに直接LANとPCを接続したら管理画面に接続できました。   気を取り直して、http://192.168.1.1でログイン画面が表示されました cfw-01 デフォルトユーザ名はrootでパスワードはなしです。 cfw-02 とりあえずメインPCからアクセスしたいので、2.5G帯をとりあえず有効にしました あとは好きに触るだけです。  

5. SSHでの接続確認

ssh接続できるらしいので接続してみます。

C:\Windows\System32>ssh [email protected]
[email protected]'s password:


BusyBox v1.36.1 (2025-06-23 20:40:36 UTC) built-in shell (ash)

  _______                     ________        __
 |       |.-----.-----.-----.|  |  |  |.----.|  |_
 |   -   ||  _  |  -__|     ||  |  |  ||   _||   _|
 |_______||   __|_____|__|__||________||__|  |____|
          |__| W I R E L E S S   F R E E D O M
 -----------------------------------------------------
 OpenWrt 24.10.2, r28739-d9340319c6
 -----------------------------------------------------
root@OpenWrt:~# pwd
/root

無事にSSH接続が成功し、OpenWrtのターミナルが表示されました。 これで、だたのWi-Fiルーターから、Linuxをベースの自由度の高い小さなPCと変貌を遂げました。   いくつかコマンドを実行してスペックを確認してみます。

root@OpenWrt:~# uname -a
Linux OpenWrt 6.6.93 #0 SMP Mon Jun 23 20:40:36 2025 mips GNU/Linux
root@OpenWrt:~# free
              total        used        free      shared  buff/cache   available
Mem:         119256       53076       39480         428       26700       28040
Swap:             0           0           0
root@OpenWrt:~# df -h
Filesystem                Size      Used Available Use% Mounted on
/dev/root                 4.3M      4.3M         0 100% /rom
tmpfs                    58.2M    428.0K     57.8M   1% /tmp
/dev/mtdblock6            3.7M    344.0K      3.4M   9% /overlay
overlayfs:/overlay        3.7M    344.0K      3.4M   9% /
tmpfs                   512.0K         0    512.0K   0% /dev

OS、メモリ、ストレージ情報


root@OpenWrt:~# opkg update && opkg install bash
Downloading https://downloads.openwrt.org/release...
...
Signature check passed.
Package bash (5.2.32-r1) installed in root is up to date.
root@OpenWrt:~# wget --no-check-certificate -O /usr/bin/neofetch "https://raw.githubusercontent.com/dylanaraps/neofetch/
master/neofetch"
d +x /usr/bin/neofetchDownloading 'https://raw.githubusercontent.com/dylanaraps/neofetch/master/neofetch'
Connecting to xxx:xxx:xxx:xxx
Writing to '/usr/bin/neofetch'
/usr/bin/neofetch    100% |*******************************|   368k  0:00:00 ETA
Download completed (376936 bytes)
root@OpenWrt:~# chmod +x /usr/bin/neofetch
root@OpenWrt:~# neofetch
 _______                       root@OpenWrt
|       |.-----.-----.-----.   ------------
|   -   ||  _  |  -__|     |   OS: OpenWrt 24.10.2 mips
|_______||   __|_____|__|__|   Host: ELECOM WRC-1167GS2-B
         |__|                  Kernel: 6.6.93
 ________        __            Uptime: 1 hour, 31 mins
|  |  |  |.----.|  |_          Packages: 152 (opkg)
|  |  |  ||   _||   _|         Shell: ash
|________||__|  |____|         Terminal: /dev/pts/0
                               CPU: MIPS 1004Kc V2.15 (4)
                               Memory: 95MiB / 116MiB

neofetch入れてみた (pfetchとかのほうがよさそう)

wget --no-check-certificate -O /usr/bin/pfetch "https://raw.githubusercontent.com/dylanaraps/pfetch/master/pfetch"
chmod +x /usr/bin/pfetch

pfechインストール用 (これnodejsとかも入っちまうのでは…?!)   何に使えるかはわからないですけど面白いですね。 パッケージマネージャはopegが入ってました sudoなどのコマンドは削られてました。 ストレージが16MBでRAMが128MBしかないですから仕方がないですね。(多い方ですけど)  

6. まとめ・感想

純正のFWよりOpenWrtの方が設定めっちゃ細かくできて自由度高い(電波法に注意) でもストレージが激狭だからソフト入れるときは選びまくらないとダメそう   元々ただのWi-Fiルーターだったのが、簡易Linuxマシンとして生まれ変わったことに感動しました! OSSでWi-Fiルーターを改造するプロジェクトがあるとは思わなかったので、別の機種でも試してみようかなと思っています。次はUSB接続に対応したルーターで遊んでみたいです。

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